地域住民のいのちと健康と生活をこれからも守り続ける

PROFILE

尾崎さん

鳥取県出身。高校卒業後は大阪府の大学に進学し、卒業後は京都府の病院で約14年間勤務していた。平成12年に岩美病院へ入職。入職後は患者の生活に寄り添う医療スタイルを築き、令和2年に院長に就任した。

地域にとって、なくてはならない存在を目指して

岩美病院は岩美町に根差した病院として、医療だけでなく、保健や福祉、介護サービスも総合的に提供し、地域にとって存在意義のある病院になりたいと思っています。ただ病気を治すだけではなく、「退院後は誰とどのような生活をするのか」「どのような人生を生きていきたいのか」など、患者様の人生に思いを馳せ、支えていくことこそが岩美病院の目指す在り方です。

岩美町に限らず、日本全体として少子高齢化が進み、医療も大きな転換期を迎えています。加えて、昨今の新型コロナウイルス禍では医療現場を離れた医師や看護師も多く、医療従事者の人材不足が課題です。厳しい状況下ではありますが、他の病院とも協力し合いながら、今まで以上に地域に寄り添い、地域住民のいのちと健康と生活を守り続けていきたいと思っています。

時代が変わっても、患者様を想う気持ちは色褪せず

岩美病院では、
「人間愛を基本とし、地域住民のいのちと健康と生活を守ります」
「保健・医療・福祉活動の拠点として、岩美町の『町づくり』に貢献し、町民が誇れる病院を目指します」
という2つの基本理念を掲げています。
理念ができた当初と比べて、医療や地域の状況は変わりましたが、この基本理念は私たちの医療の根幹であり、今なお色褪せていません。

普段の業務では、もちろん忙しく大変なときもありますが、スタッフ一同、
「患者様のためにできることを一生懸命に」
をモットーに、患者様に向き合っています。
患者様第一の“人に優しい医療”、そして“暮らしの中でみる医療”を実現するため、私たちの持てる知識や技術を、患者様の人生に役立てていきたいと考えています。

苦難を乗り越えて築き上げた“人生に寄り添う医療”

私が前職で勤めていた病院では、在宅医療やお看取りに力を入れており、「患者様の人生を大切にする」という理念を掲げていました。その考え方に感銘を受け、ぜひ岩美病院においても、治療に留まらず“人生に寄り添う医療”を展開したいと考えていました。しかし私が入職した当時は、スタッフにこの考え方を十分理解してもらうことが難しく、苦労したことを覚えています。

特に在宅医療や慢性期診療、看取りという分野は、先進医療に比べてあまり目立たず、若い人にとっては面白そうに見えないかもしれません。しかし、医師の仕事とは、ただ病気を治すことだけではないと思っています。誰もがいずれ死を迎えます。それならば、一人ひとりが抱えてきた人生や家族の想いを尊重し、自分らしい生き方ができるようサポートすることが大切ではないでしょうか。患者様もご家族の方も悔いなく最期の時を迎えられたときこそ、医師として良い仕事ができたと言えるはずです。

過去に、生活環境も病状も大変な状況であった患者様が、ご家族や病院・地域のスタッフの協力を得ながら自分らしく生き、最後に「満足できる最期を迎えられて本当によかった」とご家族に言ってもらえたときは大変うれしかったですね。そしてその話をスタッフに話した時に、「人生を大切にする医療とは何か、ようやく腑に落ちました」と理解してもらえました。これからもスタッフと共に、患者様の生活や人生に寄り添い続けていきたいと思います。

岩美病院に新たな風を吹かせてほしい

今後は新たに、施設でのお看取りにも注力していきたいと考えています。一人暮らし、もしくは夫婦二人暮らしの高齢者世帯が増加するなか、以前のように在宅で最期の時を迎えることが難しくなってきています。その分、グループホームや老人ホームに入所する方は、これからさらに増えていくでしょう。「住み慣れた地域で自分らしく生きて最期を迎えたい」という想いに応えられるよう、岩美町内の施設の方と協力しながら、体制を整えていきたいです。

現在、岩美病院は過渡期にあります。これから入職する方には、新しい価値観で、岩美病院に新たな風を吹かせてもらいたいです。ぜひ一緒に、新しい岩美病院を作っていきましょう!